2025/03/07 20:02

Nishiwaga Pedals(にしわがペダルズ)の有馬です。

2025年3月販売開始のオーバードライブ&ディストーションペダルMr.Drive(ミスタードライブ)のご紹介です。
正面から見て右側がOverdriveチャンネルで、左側がDistortionチャンネルの2チャンネル歪みペダルです。
両方をONすることで、前段Overdrive、後段Distortionの多段歪みを作り出すことが可能です。


● コンセプト

構想を練り始めたのが2024年夏頃。
拠点としている岩手県西和賀町(にしわがまち)の風景を見ていて思うところがありました。

その風景のほとんどが山。
そして、山に囲まれ流れる川(和賀川)。
私としては、見慣れた風景。
四季の変化以外は、ほとんど変わらない光景。

この当たり前にあるという感覚をエフェクターで表現したいと考えていました。


当たり前にあるということは、ある意味においては安心感にもつながります。
これをギターサウンドで考えると、個人的には歪みサウンド。

常においておきたい歪みペダル、そして1台で完結できるようなものを目指して製作をスタートしました。


1台で歪みを完結できるということは、ローゲイン系を担うオーバードライブとミドルからハイゲイン系を担うディストーションの2チャンネルが理想と考えました。
そして、この2種類を考えたとき、山と川の風景が浮かび上がってきました。

山(Mountain)、川(River)、頭文字をとってみるとMr.(ミスター)。
歪みペダルということでDriveを足してみるとMr.Drive。
覚えやすく、コンセプトであった山と川も入ったので、この名称に決定しました。

● 製作過程

名称はMr.Driveに決定したので、次はサウンドの方向性を考えていました。

季節は丁度、秋。
川で紅葉を眺めていると、その力強さというか、枯れる前の最後の輝きに感動を覚えていました。
ある意味では、この風景の集大成。

ここからインスピレーションを受け、オーバードライブとディストーションを単純に切り替えるのではなく、重ねがけして3種類目のサウンドを出したいと考えるようになりました。
ただ、重ねがけの歪みは相性もあるため、色々と試してみる必要がありました。

この検討の中で、方向性として可能性を感じたのが、Warabi V2と、Katakuri(旧バージョン)の組み合わせでした。

これを基本として、回路検討を始めました。
基本とはいえ、そのままでは新しく作る意味がないため、基本としつつも新しい要素を入れることにしました。

まずは、オーバードライブ側から。
Warabi V2は、シングルコイルピックアップのギターをメインに音作りを行いましたが、Mr.Driveはピックアップを選ばないようなものにしたいと考えていました。

したがって、芯があり、程よい煌びやかさを求めることにしました。
コンセプトと重ねると、悠然と流れる川のイメージです。

また、重ねがけが前提のため、両チャンネル共に3コントロールのシンプル設計を目指しました。

続いて、ディストーション側。
回路は、Katakuri(旧バージョン)を基本とし、重ねがけで破綻しないようなサウンドを目指しました。

これについては、ギターを替え、アンプを替え、回路の部品定数や種類を替え、幾通りも検討を行いました。
その日の体調や気分によっても聞こえ方が少し変わるため、この検討には時間がかかりました。

そして、悩みながらのサウンドチューニングでしたがなんとか完成。

オーバードライブ側は、悠然と流れる川のイメージ。
ディストーション側は、力強い山のイメージ。
重ね合わせると紅葉風景のような集大成的イメージ。

このイメージを合わせて、ケース塗装にしました。
参考にしたのが、下の写真です。

流れる和賀川と、紅葉の山。
この綺麗さの中にある力強さをMr.Driveで表現しています。

● 動画のご紹介
最後に動画のご紹介です。


動画の構成は下記の通りです。

00:00   オープニング
00:34   サウンドチェック(SSH ギター)
01:34   サウンドチェック(ストラトタイプギター)
04:52   サウンドチェック(レスポールタイプギター)
07:25   コントロール幅 Gain(Overdriveチャンネル)
08:15   コントロール幅 Tone(Overdriveチャンネル)
09:00   コントロール幅 Gain(Distortionチャンネル)
09:39   コントロール幅 Tone(Distortionチャンネル)

サウンドチェックでは、真空管アンプを使用しマイク録音を行いました。
コントロール幅では、トランジスタアンプのライン出力を使用しています。

それでは、Mr.Driveをよろしくお願いいたします。